院内集落 |
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新沢
岩谷
内黒瀬
石脇
本荘
潟保
院内
平沢
金浦
象潟
三崎峠
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にかほ市院内集落概要: 院内集落は中世由利十二頭の1人大井氏の本城が置かれた旧城下町です。集落の最奥部には大井氏(後の仁賀保氏)の居城、山根館があります。山根館には主郭や土塁、唐堀などが良く残り秋田県指定史跡となっています。江戸時代に入り仁賀保氏がこの地を去っても七高神社や禅林寺、十王堂の井戸など仁賀保氏と関係ある社寺が残り現在にいたっています。又、院内集落内にある主道は日本海側と山根館を繋ぐ街道であった為、「塩の道」とも呼ばれていました。
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町並み |
院内集落は傾斜地にあります。その為、集落全体が緩い坂に沿っています。個々の敷地は石垣で整地されていて、独特の風景を作り出しています。建物は建替えが進んでいるせいか秋田県内に良く見られる切妻妻入りの町屋などはほとんどありません。逆に平屋の寄席棟の建物が目立ちました。山沿いの町ですが、瓦屋根も多いようです。道路側に大きな庭は配置しない構成になっているのも院内集落の景観的特徴の1つかも知れません。
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陽山寺 |
陽山寺は1250年が開祖と云われています。建物は本堂は文化8年(1808)、楼門は宝暦年間(1751〜64)の創建です。特に楼門は桜門と呼ばれ、朱色と白、背景の緑のコントラストがすばらしいです。美しさだけでしたら楼門建築の中で秋田県内で1,2を争うほどではないでしょうか。後背地の山や前面の田んぼと共に環境保全が出来たらすばらしいと思います。色々な良いデザインの建物であっても、それ単独では環境や町並みは創れません。実際見てがっかりしてしまった観光地がどれほど多いかわかると思います。個々のデザインももちろん重要ですが、全体で考えてみることがそれ以上に必要だと思います。陽山寺山門は、にかほ市指定文化財になっています。
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禅林寺 |
禅林寺の創建は天長年間(824〜33)と云われています。中世には由利十二頭の1人大井氏(後の仁賀保氏)の菩提寺となりました。その後慶安4年(1651)に現地に移り、火事等があり現在の本堂は明和4年(1767)に建てられた物です。禅林寺の門前には寒沢川が流れていて、欄干の付いた朱色の橋がとても印象的です。境内も威厳がありつつ開放的な空間になっています。
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七高神社 |
七高神社は中世から仁賀保氏の崇敬を受け当時の仁賀保領53村の総鎮守でした。近世に入り仁賀保氏は領地を減らさ江戸詰めとなりましたが手厚く保護されました。周囲には十八坊が置かれ、七高山極楽寺が別当となっていましたが近世中に廃れたそうです。しかし、近代に書写したと云われる古文書により多数の神事が現代にも脈々と受け継がれています。社殿等は新しく感じましたが、鳥居を始め参道からは古社の雰囲気が漂っています。
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十王堂の井戸 |
十王堂の井戸は案内板によると「西暦1200年頃、喜蔵家の祖佐藤丹後守が掘った仁賀保公愛飲の名泉、丹後清水である。後に真言宗極楽寺が十王を祀る堂を建立した。七高神社の別当極楽寺と修験者達は正月4日に水垢離を取り五穀豊穣と村内の無事安泰を祈った。以来院内の人々の命を繋いで来た泉である。」とあります。十王堂の井戸は現在でも集落の人々に愛されているようで、新い堂の中に囲まれています。
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朝日山碑 |
朝日山碑は十王堂の井戸を左折して塩の道沿いの急坂の途中にあります。案内板によると「「朝日山 仁治元年 佐藤」の刻字がある。仁治元年(1240年)の年号があり、年号のあるものとしては県内で最も古い碑となる。 仁賀保町教育委員会」とあります。院内集落は中世から仁賀保氏の本拠となっていたことなどから古くから開けていた地域と言え禅林寺や七高神社はさらに古い歴史を数えます。にかほ市指定文化財となっています。
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山根館 |
案内板によると「山根館跡は由利十二頭(由利地方に勢力を持っていた十二の豪族)の一人仁賀保氏の居館となった山城跡です。平安時代中頃に築かれたとの伝承を持ちますが、応仁2年(1468)仁賀保氏の祖である大井伯稽守友挙が修復して居住し、江戸時代の初期に廃城となったという記録があります。平成5・6年に発掘調査が行われ、城の最も重要な曲輪(土塁や掘などで囲われている区域)の中心である主郭から建物の礎石(建物の土台として据える石)、石畳まどの遺構や15・16世紀のものと思われる中国製の陶器などが発見されました。その他の曲輪や城内をはしる大規模な空掘、土塁も保存状態が良く、往時の雰囲気をよく伝えています。現在、主郭の礎石や石畳が復元され、かつてここにあった領主の館の状況を偲べるようになっているほか、城内を通る古道(大手道、塩の道)が散策できるようになっており、今に残る中性の山城の様子を見ることができるようになっています。」とあります。秋田県指定史跡となっています。
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