松岡集落 |
|
大曲
六郷
金沢
横手
岩崎
湯沢
松岡
山田
横堀
院内
|
湯沢市松岡集落概要: 松岡集落は伝説と信仰の里であり、昭和前期までは鉱山町として発展した集落です。集落内には坂上田村麻呂の伝説が残り、信仰の山である白山にある白山姫神社と金峰山神社にはその創建に係わり、討伐した阿黒王が潜んだとされる阿黒岩などがあります。白山は周囲の白山信仰のメッカとなり参道には神仏混合時代の名残が随所に見る事が出来ます。又、応永年間(諸説ある)に発見された松岡鉱山は良質の銀を多量に産出し、江戸時代の秋田藩にとっては重要鉱山のひとつとなっていました。大正時代までは鉄道が敷かれ昭和21年に閉山するまでは最大400人の工夫が働き活気を呈していたそうでが現在では廃坑となり静かな町並みが続きます。
|
|
白山・白山姫神社 |
白山は湯沢市の郊外にある松岡集落にある標高289mの信仰の山です。頂上に鎮座する白山姫神社の創建は古く大同年間に坂上田村麻呂が、同じ松岡山中ある洞窟に住んだと云われる鬼(阿黒王)を討つ為に社殿を建立したと伝わっています。当時は白山信仰を中心として麓には18坊で構成された天台宗の松岡寺があったとされ、白山姫神社の本尊(秋田県有形文化財)は平安時代末期、松岡経塚からは平安から鎌倉初期の銅製経筒が出土するなど多くの信仰の対象となっていたことが想像できます。大きな鳥居をくぐり参道沿いには薬師神社、小安観音など様々な小社が点在し、道の分岐点には石仏、中腹には仁王像が鎮座するなど神仏混合の名残が随所に見受けられ、頂上付近には3間幅の社殿があり東鳥海山の方向を向いているようです。さらに頂上いくには毘沙門天、大山咋の小社があり最奥地には金峰山大権現が祭られています。
|
|
霊仙院 |
松岡の八幡林集落にある霊仙院は曹洞宗の寺院です。元々はこの周辺を支配していた千葉氏の菩提所で天台宗だったそうですが元和年間(1615〜24)に改宗開山しました。付近にある白山の麓に栄えた松岡寺も天台宗だったことから何らかな関係があったと言われています。安政6年(1859)と明治22年(1889)と火災があり本尊を残して全焼したそうで、境内にある樹齢400年と云われるイチョウにはその痕跡が残っています。
|
|
水場 |
松岡集落には写真のような水場が未だに存在しています。道路のU字側溝と繋がっているので現在飲料水として使われているかは分かりませんが野菜などの洗浄や冷やすといったことには利用されているようです。数段の階段を下りた所には綺麗な湧水があり、鯉が悠々と泳いでいます。一角には水神を祭っていると思われる石祠があり当時から神聖視され生活には欠かせない場所だったことがわかります。
|
|
阿黒岩 |
阿黒岩は松岡集落の山沿いの切畑集落の奥にあります。切畑川沿いにある断崖絶壁の景勝地で、坂上田村麻呂の伝説が残ります。「田村3代記」の第六巻には岩手県の達谷から坂上田村麻呂に追われた阿黒王(悪路王)が部下を引き連れて逃れた地とされ、50人程入れる洞窟があります。又、阿黒王の旗を切ると、霧が晴れ勝利を収めたことから「切畑」の地名が付いたと言われています。現在でもこの場所は神聖視され(阿黒王を崇拝してか、恐れてか、自然崇拝かは分かりません。)阿黒三神社として祀られています。隣の羽後町の田沢集落には阿黒岩と繋がっていたと言われる「岩井戸」があり阿黒王が住んでいたとされ、討たれた場所が「宇津野」という地名として残っています。
|
|